On the DL / B-side

On The DL B-side Volume 2: カリフォルニア州ベイエリア

February 22, 2020

「On The DL」はこれまでに訪れたビアコミュニティについて語るブログです。様々な州や町、ブリュワリーや地域で見聞きしたことをシェアしていきたいと思っています。「On The DL B-side」では「On The DL」の記事をなぞりつつ、直訳ではないちょっと別の視点から日本語で語ります。

今回は南カリフォルニアの兄弟かつライバル的な存在でもあるベイエリアについて少し語ってみたいと思います。私は子供の頃ベイエリアに住んでいたこともあって、このライバル関係については少し複雑な気持ちなのが正直なところ。どちらもそれぞれの良さがあります。ベイエリアはLAから距離的に近いのと、友だちも数人いることから度々足を運んでいます。大人になって訪れるベイエリアはまた違った顔で、行く度に発見があります。

まずはサンフランシスコ。「On the DL」本編で紹介されていたFort Point Ferry Building、いきなりですがなんと私は覚えていません。サイト等で写真を見る限り、行ったら覚えていると思うのでもしかしたら私自身は行ってないのかもしれませんが、それすらどうなのか自信がありません。とはいえ、Fort Pointのビールはロサンゼルスでも割とよく見かけるので馴染みがあります。ラガーやIPAといた定番ものからCitra Park、Galaxy Park、Mosaic Parkといったシングルホップのペールエールシリーズなど、実に豊富なビアスタイルをわかりやすい味で表現しているので、色々なスタイルを飲み比べて知るにはちょうどいいブリュワリーかもしれません。

Ferry Buildingの写真は確かに撮っていた

Fort Point Beer Co. はベイエリアにいくつかロケーションがあり、この店舗はサンフランシスコ湾に面するFerry Buildingというレストランやマーケットが集まるフェリーターミナルの中にあります。エンバーカデロと呼ばれるこのエリアは観光にも持ってこいで、少し歩けばフィッシャーマンズ・ワーフPier 39ユニオンスクエアSFMoMa(サンフランシスコ現代美術館)、サンフランシスコジャイアンツの本拠地であるオラクル・パークにも行けます。個人的に思い出があるのはピア沿いにあるExploratoriumという体験型科学博物館で、子供の頃によく遠足で行ったものです。次にサンフランシスコに行った時は改めてFort Point Ferry Buildingに行き、きちんと記憶に留めておこうと思います。

Fort Point Ferry BuildingからMuni(ライトレール)で10数分ほど行ったところにあるのはCellarmaker Brewing Company。色んなスタイルのビールを時に実験的に作っているので、フライトを頼んで少しずつ色々試すのがお勧めです。こちらはFort Pointと比べると規模も小さくロサンゼルスにいると缶もなかなか手に入らないので、行ったらなるべく味見する、まさにdrink localです。ちなみにテイスティングルームの近くにはCellarmaker House of Pizzaというデトロイト・スタイルのピザ屋さんがあり、そこでもビールが飲めるようです。

Cellarmakerから徒歩30分ほどのところにあるToronadoはタップ数が40もある、ローカルが集うバーです。決して広くない店内にはビール好きが集まり、壁にはその日のタップリストやビールの看板やサイン、タップハンドルのコレクションが所狭しと並びます。友達のステファン(サンフランシスコ出身)に教えてもらっただけあって、まさにローカルと肩を並べて飲めるダイブバーの雰囲気。ちなみにダイブバー(dive bar)とは、おしゃれでスタイリッシュなバーとは違って近所の飲み屋的な感じのバーのことを言います。こういう体験もdrink localの楽しいところ。Toronadoではベイエリアのビールだけではなく南カリフォルニアやポートランドなど西海岸のクラフトビールを中心に展開していて、飲みたいものが必ず見つかるはずです。何件も回る時間がない場合はToronadoに行っておけばとりあえず美味しいビールが飲める、実にありがたい場所です。

続いてサンフランシスコ湾を越えてThe City(サンフランシスコ)からThe Town(オークランド)へ。オークランド独自の歴史やカルチャーは、オークランドで醸造されているクラフトビールからも感じ取ることができます。オークランドによるオークランドのためのビール、それを体現しているブリュワリーのひとつがFederation Brewing。大きくはない店のすぐ奥にブリュータンクがいくつか並び、バーの入り口は通りに開放されています。定番のビールから期間限定のものまで揃っていて、フライトを頼むこともできます。店内に置いてあるボードゲームで遊ぶもよし、定期的に行われるコメディーナイトを楽しむもよし、もちろんビールを片手に道ゆく人たちをぼんやり眺めるのもよし。

同じくジャック・ロンドン・スクエアというエリアにあるOriginal Pattern Brewing CompanyはFederation Brewingの目と鼻の先。煉瓦造りの古い倉庫を再利用したブリュワリーは広々としていて開放感があります。グラフィカルなロゴをあしらったビアグラスをビールのスタイルに合わせて出すところにもOriginal Patternの信念とこだわりを感じます。もともとはベルギーやヨーロッパのスタイルのビールにフォーカスを置いていて、セゾンやファームハウスエール、サワーなどが美味しいブリュワリーですが、最近ではIPAなども増えたようです。我々が行ったのはオープンして数ヶ月ほどの頃で、スタッフが建物やビールの説明を熱心にしてくれました。現在ではGood to Eat Dumplingsというお店と提携していて、ブリュワリーでビールを飲みながら点心が食べられるようです。これはぜひまた行かねば…!

オークランドを縦断するTelegraph Ave. のTemescal地区にあるRoses’ Taproomは、淡いピーチ色に塗られた壁に店内に飾られた観葉植物とバーの後ろを飾るタイルの濃い緑が印象的なブリュワリー兼タップルームです。自家製ビールに加えて、そのビールを使ったドリンクやビールに合うおつまみも揃っています。アーティストであるカップルが始めたというRoses’ Taproomでは、月々30ドルの会費を払うとローカルの陶芸家が作ったビアマグでビールが割引きで飲めるというマグ・クラブがあるようです。光が差し込む昼間に行って雰囲気を楽しみながらのんびりとビールを飲むのがお勧めの場所です。

Roses’ Taproomを出てTelegraph Ave. を下るとこちらもパステル調の店内がポップでかわいいTemescal Brewingに辿り着きます。我々が最後にオークランドを訪れた時は友達のデイビッドのアパートに泊めてもらっていて、彼はお酒を飲まないのにも関わらずこの日のクラフトビール巡りに付き合ってくれていました。すでにビールを飲んでいるウィリアムと、シラフのデイビッドはRoses’ TaproomからTemescal Brewingへの道すがらずっと「新世紀エヴァンゲリオン」は果たして放映当初から人気があったのか、後から人気が出たのかについて熱く議論していました。コミックス・漫画業界に務めるデイビッドとオタク・ウィリアムの熱いバトルはTemescal Brewingに着くとさらに加熱し、それを横目に私はひたすらフライトで頼んだビールを飲んだり、かわいいグッズや店内をチェックしていました。屋外エリアもあって日替わりでフードトラックが来ています。議論は結果的にどう落ち着いたのか、覚えていません。

長くなってしまいましたが、まだまだベイエリアで紹介したいところはたくさんあります。ビールの他に食事やミュージアムなど、楽しみ方もいろいろなベイエリア。また近々訪れて更新できればと思います。

「On The DL」で紹介した場所やその周辺は随時Instagramにもアップしているのでそちらもぜひチェックしてみてね!ツイッターではポッドキャストやブログの最新情報をお届けいているので、そちらもどうぞ!

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